プラークコントロールで歯を守ろう

みなさんはプラークコントロールという言葉を聞いたことがありますか?

虫歯や歯周病の原因となる歯垢(プラーク/細菌の塊)を減らして口内環境を正常に整えることをプラークコントロールといいます。プラークコントロールは健康な歯や歯ぐきを保つためにとっても大事なケアです。

今回は、プラークコントロールに必要なことについてご紹介します。

歯垢(プラーク)は細菌の塊

歯の表面について白くなっている細菌の塊を歯垢(プラーク)と言います。歯垢は食後およそ4〜8時間ほどで作られてしまいます。そのまま放っておくと菌の作った酸が歯の表面のエナメル質を溶かしてむし歯を発生させてしまうことがあります。

歯磨きをしない大人の口の中には1兆個の細菌がすみついている

大人の口の中には、300〜700種類の細菌が生息しているといわれます。歯をよく磨く人で1000〜2000億個、あまり歯を磨かない人では4000〜6000億個、さらにほとんど磨かない人では1兆個もの細菌がすみついています。この細菌たちが歯垢(プラーク)を作っています。

細菌の増殖を抑えるオススメの歯磨き粉

Care Polis(ケアポリス)

細菌の増殖を抑える薬効成分が多く、歯ぐきの炎症を抑制する効果があるので歯周病のリスクの高い人に◎

ラクレッシュ PRO

お口の中の細菌数を減少させるので、虫歯や歯周病リスクの高い人に◎

歯石になる前の歯垢をいかにコントロールできるかが重要

歯垢はおよそ2日で歯石に変わってしまう

そして、歯垢をそのままお口の中に残しておくとおよそ2日間で石灰化が始まり歯石に変わっていってしまいます。歯石は名前の通り石のように固く、歯ブラシではとることができません。専用の器具を使って歯医者さんで取り除く必要があります。歯石は歯周病の原因となり、口内環境を悪くしてしまいます。

プラークコントロールの理想はプラークゼロの状態

プラークコントロールには、「コントロール(管理)」という言葉が意味するように、もうすでに付着している歯垢を除去するだけでなく、これから形成される歯垢を予防するところまでが含まれます。プラークコントロールは歯垢の予防と除去の両立が必要になります。プラークコントロールには単なる歯磨きでなく、口内に蓄積したプラークがゼロになる「プラークフリー」な状態に近づけられるようなケアが必要になります。

セルフケアとプロフェッショナルケアでプラークコントロールができる

セルフケア

セルフケアは、ご自身で行うお口のケアのことです。基本は、歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどを使用したブラッシングがあります。歯周病ケアに効果のある歯磨き粉やデンタルリンスを併用することでセルフケアの効果は高まります。プラークが付着しやすくなる軟らかい食べ物を減らし、プラークを付着させにくい食物繊維豊富な食べ物を増やすといった食習慣の改善も大切です。

歯ブラシだけでは6割程度しか歯垢を取り除けない

歯磨きをする場合、歯ブラシでブラッシングしている方は多いと思います。しかし、歯ブラシだけでは全ての汚れを取り除くことはできません。なんと除去率は6割と言われています。なんと半分近くの歯垢が取り除けないままお口の中に残っています。

デンタルフロスや歯間ブラシ併用で9割程度の歯垢が除去できる

歯ブラシでは歯と歯の間が磨きづらく、隙間にある汚れは残ってしまいがちです。歯と歯の間や隙間の汚れを落とすのに有効なのがデンタルフロスや歯間ブラシです。歯ブラシでは入り込めない隙間の汚れにピッタリです。

歯間ブラシとデンタルフロスの正しい使い方について詳しく知りたい方はこちら

プロフェッショナルケア

スケーリング(歯石除去)・エアポリッシング

プラークコントロールで最も重要なのはセルフケアですが、磨けない部分が必ず出てきます。特に歯肉縁下と言われる歯ぐきより下の部分です。そこで歯科医師や歯科衛生士が専用の機械を使用してお口の中を綺麗にします。歯面をツルツルにすることで歯垢(プラーク)が付着しにくく、セルフケアの効率を高めます。

プロフェッショナルケアについて詳しくはこちらをご覧ください。

ブラッシング指導

歯並びや歯ぐきの状態、歯の詰め物やかぶせ物の有無とその状態など口腔内の状態は、一人ひとり異なります。お口の中の状態に最適な歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスを紹介し、効果的なブラッシング方法を説明します。適切な歯磨き方法を知ることでセルフケアで歯垢除去率のUPにつながります。

きちんとケアしていても唾液が少ないと虫歯や歯周病になりやすくなる

唾液の減少はお口の健康だけでなく全身の健康に大きく関わってきます。ストレスも唾液を減らしてしまう大きな要因ですが、口呼吸がクセになっている方も唾液が乾燥して唾液の役割を果たせないため、注意が必要です。

唾液の7つの効果

殺菌・抗菌作用

唾液中にはリゾチーム、ペルオキシダーゼ、ラクトフェリンといった殺菌、静菌に働くさまざまな物質が含まれています。中でも最も多く存在しているのが、lgA(免疫グロブリンA)です。身体を菌から守る粘膜免疫という作用において中心的な役割をい、口の中の細菌を撃退してくれます。

自浄作用

口の中の粘膜や歯の表面は唾液に覆われているため、食べ物が付着しづらくなっています。唾液は食事をしていない時も分泌されて、食べかすや細菌を洗い流して口内を清潔に保つ働きがあります。

排出作用

特定の抗生物質を飲んだり、ある種の化学物質が身体の中に取り込まれてしまった場合には、その一部が唾液中に排出されることで血中の濃度を下げる働きがあります。

再石灰化作用

歯の表面のエナメル質が溶け出した状態を脱灰といいますが、虫歯のごく初期なら唾液は自然に元に戻してくれる(再石灰化)自然治癒力を持っています。唾液がカルシウムイオンとリン酸イオンを補給し、エナメル質の結晶を新しく形成し、元の健康な状態に戻します。

緩衝作用

口内が酸性になると虫歯リスクがアップします。特に食後は酸性に傾きがちです。唾液の緩衝作用で毎食後、口内を元の中性に近い状態に戻してくれます。

消化作用

炭水化物は、唾液によって口の中でその一部が消化されます。唾液にはアミラーゼという、デンプンをぶどう糖に分解する消化酵素が含まれています。食べ物を口の中で柔らかくして、分解することで、消化を助ける消化液としての役割があります。

保護作用

唾液には納豆やオクラなどの粘りのもととなっているムチンという成分が含まれています。ムチンのおかげで口の中の粘膜はいろいろな刺激から保護されています。

唾液の分泌量は30代をピークに減少する

成人の唾液の分泌量は1日あたり1〜1.5ℓ程度出ています。唾液の分泌量は時間により変化し、食事中は増加して睡眠中は減少する傾向にあります。また、加齢の影響を受けやすく30代をピークに減少し始めます。70代にはピーク時の3割程まで減少します。

乾燥が気になる方におすすめの歯磨き粉!ORALPEACE(オーラルピース)

研磨剤無配合なのでマウスピースにも日常のブラッシングにも◎湿潤効果があるのでお口の乾燥が気になる方にもおすすめです!

唾液腺マッサージで唾液を増やそう

まとめ

プラークコントロールをするためには、セルフケアとプロフェッショナルケアの両立が大切です。自分では取り除けない汚れが溜まってしまう前にプロの力を借りてケアをしていきましょう。

そして、プラークコントロールには唾液の力も大きく関わってきます。ストレスも唾液が減る原因になるので注意が必要です。なるべく唾液の分泌量が減らないように、水分を多く取ったり食事のときはよく噛むことも意識しましょう。

秋から冬の季節は乾燥しがちなので、水分をできるだけこまめに摂取してお口の乾燥を防ぎましょう。お口の乾燥が気になる方は、唾液線マッサージもぜひ試してみてください(^ ^)

記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁

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