お口からはじまる健康管理!デンタルドックで全身の健康を守りましょう

「健康診断は受けているけれど、歯の検査は後回しにしがち…」という方は少なくありません。しかし実は、お口の状態は全身の健康と深く関わっており、放置してしまうことで思わぬ疾患のリスクを高めてしまうことがあります。
そんな中、注目されているのが“歯科ドック(デンタルドック)”です。今回は、歯科版の人間ドックともいえるデンタルドックについてご紹介します。

デンタルドックとは?通常の歯科検診との違い

一般的な歯科検診は虫歯や歯周病のチェックを中心とした基本的な診察ですが、デンタルドックはより包括的で精密な検査を行います。様々な角度から口の中や顎の状態をチェックして、現在進行している、もしくは進行しかけている病気を治療し、これから起こるであろう病気を防ぐために計画的な処置を施します。
たとえば以下のような検査項目が含まれます。

  • レントゲン・CTによる精密診断
  • 歯周病の進行度チェック
  • 噛み合わせや顎関節の評価
  • 唾液検査(菌の種類や酸性度の分析)
  • 口腔がんの早期発見・・・など

これらを組み合わせることで、ただ虫歯や歯周病を見つけるだけでなく、将来的なリスクまで見越した予防策を講じることが可能になります。

口の健康は全身の健康への入口

デンタルドックが全身の健康につながる理由は、「お口は身体の入り口」だからです。歯や歯ぐき、唾液などの状態が悪化すると、全身の疾患につながることが多く、早期に口腔内の異常を発見できるデンタルドックは、全身の健康を守るために非常に有効です。「まだ症状がないから大丈夫」ではなく、人間ドックと同じように健康なうちにこそ受けておくことが大切です。

デンタルドックが「全身の健康」につながる理由

1. 歯周病は全身疾患の引き金になる

歯周病は口の中だけの問題と思われがちですが、実は糖尿病・心疾患・誤嚥性肺炎・早産などと深く関係しています。歯周病菌が血管内に侵入すると、炎症性物質が全身に広がり、慢性疾患を引き起こすリスクが高まるのです。

2. 噛み合わせと体調不良の関係

噛み合わせが悪いと、顎の歪み・肩こり・頭痛・めまいなどを引き起こすこともあります。デンタルドックでは咬合(こうごう)のバランスも評価し、必要に応じた治療提案が可能です。

※咬合…上下の歯がどのように噛み合っている状態

3. 唾液検査で病気のリスクが見える

唾液には、細菌を抑制する抗菌成分や、ウイルス・細菌の侵入を防ぐ免疫成分が含まれています。唾液検査によって「虫歯・歯周病のなりやすさ」や「口腔内細菌のバランス」、「唾液量の減少(ドライマウス傾向)」などお口の状態を詳しく知ることができます。これらは、免疫機能の低下や感染症リスクを把握する指標となり、体調管理の一環として重要です。

4. 口腔がんなど重大な病気の早期発見につながるから

舌がん・歯肉がん・口腔底がんなどの「口腔がん」は、初期症状がわかりにくく発見が遅れがちです。
デンタルドックでは粘膜のチェックや視診・触診も行われるため、がんなどの重大な病気の早期発見にもつながります

デンタルドックは見えないリスクを可視化できる

デンタルドックを受けることで、ご自身の口の中の「見えないリスク」を可視化でき、早期のケアや生活習慣の見直しにつながります。また、口腔内のトラブルが少なくなれば、毎日の食事や会話も快適になり、生活の質(QOL)が向上します。人間ドックに行っている方は、デンタルドックでお口の健康診断も行って本当の意味で健康になりましょう。

健康な体や歯を守れるのは自分自身

身体の健康を維持していくために必要な健康的な食生活を送るためには80歳になっても20本以上の「自分の歯」を保つことが推奨されています。80歳で20本以上の自分の歯を残している人の割合は、2022年の厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、51.6%です。歯は「噛む」だけでなく、「話す」「飲み込む」機能にも重要な役割を担っています。20本以上の歯があると、これらの機能を十分に保つことができます。

デンタルドックで定期的にお口の状態をチェックしよう

年齢を重ねていくうちに「自分の歯」が失われていくことは「老化現象の一つだから仕方がないこと」と認識している方もいるかもしれませんが、実は「正しい予防」や「適切なタイミングでの治療」ができれば年齢にかかわらず「自分の歯」を保つことは可能だといわれています。

そのために、毎日のお口のケアを丁寧に行い、定期的な歯科検診やデンタルドックでお口の問題を早期発見・治療していくことが大切です。自覚症状が出る前の早期ケアで大切な歯を1本でも多く守りましょう。

まとめ

健康的な毎日を送るためには、しっかり噛める健康な歯を1本でも多く残すことが大切です。歯科の疾患は、風邪などと違って自然に治ることが多くありません。

デンタルドックは、「悪くなってから治す」医療ではなく、「悪くなる前に気づく」ための予防医療です。全身の健康を守るための第一歩として、ぜひ一度、デンタルドックの受診を検討してみてください。

多賀歯科の歯科ドック(デンタルドック)について

当院では、専門スタッフによる丁寧な歯科ドック(デンタルドック)を実施しております。
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記事監修 Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁

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