再石灰化から強石灰化へ！世界初の歯質強化「CAPシステム」

当院では、さらなる歯質強化のために世界初の歯質強化方法である「CAPシステム」を2月から導入しました。虫歯予防に効果的な高濃度フッ素を超える歯質強化ができる画期的なシステムです。

元々私たちのお口の中では、歯を守るための再石灰化という機能があり、歯の修復が繰り返し行われています。再石灰化は、初期虫歯の状態であれば修復することができる素晴らしい機能です。CAPシステムはこの再石灰化から強石灰化の状態を作る事に成功しています。

今回は、CAPシステムの紹介をする前に、私たちが生まれながらにして備えている「再石灰化」についても少しお話しします。

初期虫歯なら「再石灰化」で修復できる

私たちの口内では、歯を溶かす「脱灰」と、修復を行う「再石灰化」が繰り返されています。食事をするとプラークが付着します。そのプラークに含まれる虫歯菌の原因細菌が食物中の糖を取り込み、分解して酸を産生し、この酸が歯の成分であるハイドロキシアパタイト（リン酸カルシウムの結晶）を溶解するという過程が脱灰です。一方、唾液中のミネラル（カルシウムとリン酸）は酸を中和し、再び歯に沈着して歯を修復する再石灰化を起こします。口の中では、常に「脱灰」と「再石灰化」が繰り返され、双方がバランスをとりながら歯の健康を維持しています。初期虫歯の段階で脱灰よりも再石灰化が促進されると、歯が修復されて元に戻ります。

虫歯になりやすい人の特徴

唾液中のカルシウムが少ない

唾液中のカルシウム量の少ない方は、再石灰化が脱灰に追いつかないため虫歯になりやすくなります。カルシウム不足によって再石灰化が妨げられると、再石灰化・脱灰のバランスが崩れ、虫歯リスクが高まります。

間食が多い

口腔内が酸性になっている状態が一時的であれば、脱灰が起こったとしてもまたすぐ再石灰化が起こり、虫歯はできません。しかし、口腔内が酸性に傾く頻度が多ければ多いほど再石灰化よりも脱灰の方が進んでしまい、虫歯ができやすくなります。間食が多かったり甘い飲み物をだらだら飲み続けていたりすると、虫歯のリスクを高めてしまいます。

虫歯になりにくくする「CAPシステム」

唾液中のカルシウムが少ない方や間食が多い方は、脱灰に再石灰化が追いつけないため虫歯になってしまいます。 そこで、虫歯になりにくくする世界初の歯質強化方法「CAPシステム（エナメルアパタイトコーティングシステム）」がオススメです。

CAPシステムの流れ

歯の表面には細菌や汚れとペリクル（有機性皮膜）があるため、そのままでは効果的に再石灰化が起こりません。CAPシステムでは歯の汚れをしっかり除去し、きれいなエナメル質（歯の一番外側にある硬い層）が露出されたところにハイドロキシアパタイトの元を作用させ、フッ素でコーティングしてあげることで、歯質強化と今までにない強石灰化層を作ることができます。

国際特許を申請した３つの効果！

CAPシステムには、国際特許を申請している３つの効果があります。世界初の歯質強化システムで予防を超えた歯の守り方として注目されています。

優れた耐酸性・・・歯質が強化されることで虫歯菌の産生する酸によって溶かされにくくなります。

滑沢性UP・・・歯の表面が滑らかでツヤのある状態になります。

硬化度UP・・・硬化度がフッ素の２倍　未処置歯の５倍UP。

当院でも2023年2月から導入しています。気になる方はお気軽にお声がけください＾＾

詳しくはこちらもご覧ください▷CAPシステムの公式HP

ホームケアで再石灰化を促すために・・・

初期虫歯では、積極的なケアによって再石灰化で歯の修復が期待できます。毎日のホームケアで再石灰化を促すための方法もご紹介します。

フッ素またはハイドロキシアパタイト配合の歯磨き粉を使う

再石灰化を促進するといわれているフッ素配合歯みがき剤や、薬用ハイドロキシアパタイトを配合した歯みがき剤を使用することはおすすめです。ハイドロキシアパタイトは、リン酸カルシウムでできた歯や骨を構成する成分で歯に直接作用しやすく、なじみやすいミネラル成分です。（ちなみにエナメル質の97%、象牙質の70%がハイドロキシアパタイトで構成されています。）しかし、歯磨き粉にどんなに歯に良い成分が入っていてもきちんと汚れが落ちている状態でないと十分な効果が発揮できません。歯垢（プラーク）や汚れをブラッシングなどできれいに落とすことを意識しましょう。

キシリトール１００％のガムを噛む

唾液には、再石灰化を助ける働きがあります。（こちらの記事で紹介しています→唾液は歯を守る強い味方！）唾液を出すためにキシリトールガムも効果的です。特に虫歯を防ぐ甘味料のキシリトールには、「虫歯の発生や進行を防ぐ」という、他の糖アルコールにはない特徴的な効果があります。 また、虫歯の原因となる歯垢が付きにくくなるだけでなく、歯の再石灰化を促し、歯を固くします。ガムを選ぶときは甘味料としてキシリトールを100％使用しているものを選びましょう。

まとめ

当院では2023年2月から歯質強化のために「CAPシステム」を導入しています。高濃度フッ素を超える歯質強化システムです。自分の歯を虫歯にしたくない、子供の歯を守りたい、生涯自分の歯で生活したい、視覚過敏の症状を軽減したい方や虫歯になりやすい方にオススメしています。

歯科でのプロフェッショナルケアも大切ですが、歯を守るためには、ホームケアも非常に大切です。ホームケアではキシリトールガムや、フッ素配合歯磨き粉、ハイドロキシアパタイト配合歯磨き粉による適切な歯みがきがオススメです。毎日のケアで虫歯になりにくい強い歯を手に入れましょう。

記事監修　Dr.多賀 俊仁
多賀歯科医院
院長 多賀 俊仁